よく”国語力は、全ての教科の基礎となる”と言われますが、学生時代の勉強にとどまらず、成人して生活していく上でも大きな武器となります。
相手が言っていることを理解し、自分の考えや心情を正しく相手に伝えるためには、まず語彙を豊かにすること、自分の考えを整理する力をつけること、正しい表現法を身につけることが必要となります。
いい加減な語彙、表現法ではいい加減な内容(思想)、いい加減な人格の表現、理解しかできません。
最近、高校入試・大学入試・就職試験で作文や論文を重視する傾向があります。
ただ単に教科の力(学力)だけではなく、様々な事象について、自分はどのように感じたか、思ったか、考えるかといったことを『自分の感想、思い、考えを自分の言葉で自由に表現する力』が試されます。
論理的な思想力とそれを表現する文章能力が必要となります。
仕事の上でも専門的知識・技術と同様に、国語力が大切になります。
技術の進化に伴い、数年前とはくらべものにならないほど情報のスピード化がなされ、瞬時に情報のやり取りができるようになりました。
情報化の進んだ現代社会において、速く情報を処理しなければ、一瞬のうちに大きなビジネスチャンスを逃してしまうという事にもなりかねません。
素早く情報を処理するためには、まず『内容を速く正確に読み取る力』(速読力)が必要となります。
仕事の効率化を図る、利益をあげるために、いくら良いアイデアを持っていたとしても、それを文書(企画書)にできない限り、誰からも評価はされません。
アイデアは文書にしてこそアイデア(企画)になるのです。
私たちの身近にある工業製品には、様々な機能が付加され、どんどん便利なものになってきてます。
電話機のようなものにでも、100ページ近い説明書が付いています。
どんなに素晴らしい性能の電子機器を手に入れたとしても、その説明書の内容が理解できない(読み手の問題)、または説明書がよくできていない(書き手の問題)と、製品の価値は半減するということになってしまいます。
言語能力は、人間の最も重要な能力です。
いうまでもなく、私たちは言語によって思考し、意志の伝達をします。
言語で論理を組み立て、文章を書きます。
その言語は、私たち日本人にとっては日本語です。
ですから、日本語に精通してこそ、豊かな生活が送れるのです。